割烹料理をカジュアルに楽しむために知っておきたいこととは?詳しく解説

割烹料理をカジュアルに楽しむために知っておきたいこととは?詳しく解説

割烹料理店といえば、和食の高級店のイメージですので、服装やマナーについて、どうしたらよいか悩んでしまう人も多いかと思います。実は割烹料理店は、比較的カジュアルに伝統的な日本料理が楽しめるお店なのです。

今回は、その理由や、同じく高級日本料理を提供している料亭との違いなどについて解説するとともに、和食を楽しむために気を付けたいマナーについても説明していきます。

割烹料理店での服装はカジュアルでも大丈夫?

割烹料理店へ食事に行くのに、服装はかなりきちんとした格好をしなければならないのではと考える人も多いかと思います。同じ和食の高級店に料亭がありますが、割烹料理店は料亭と比べると、比較的カジュアルな雰囲気で食事をとるお店ですので、服装もそれほど気にする必要はありません。

もともと、料亭などの日本料理の高級店に服装の明確なルールはありません。しかし、あまりにもTPOをわきまえないような服装は好ましくありませんので、食事の目的や一緒に食事をする人のことを考慮し、相手に不快感を与えないような服装を心がけたいものです。

心配な場合は、Tシャツやジーンズ・サンダルなどは避け、スーツやジャケット・品のいいワンピースなどを着るのが無難でしょう。

そもそも割烹料理とはどのような料理か?

 

そもそも割烹料理とはどのような料理か?

割烹とは、日本の伝統的な調理を意味する言葉です。「割」は包丁で素材を切ることを表し、「烹」は煮炊きを表しており、これらを合わせた言葉が「割烹」になったと言われています。歴史的には、江戸時代に京都や大阪を始めとする上方(かみがた)の料理を「割烹」と呼んだことから、江戸後期になって主に高級料理が割烹と呼ばれるようになった、と伝えられています。

料理の特徴としては一汁三彩を基本とし、刺身・焼き魚・煮魚といった魚料理や、前菜・天ぷらなどで野菜が多く使われるのも割烹料理の特徴です。メニューも、生もの・酢の物・焼き物・煮物・汁物・蒸し物などの料理が一品ずつ出されるのが、割烹料理店のスタイルとなっています。

割烹料理店と料亭の違いについて

割烹料理店と料亭は、どちらも高級な日本料理を提供するお店として、あまり違いがないように思いがちですが、実は明確に区別されていて多くの違いがあります。なお、お店によっては割烹料理店と料亭の区別があいまいなところもあるようです。

ここでは、割烹料理店と料亭の違いについて、店舗の造り・料理の内容・接客の方法の3つの観点から、その違いについて解説します。

店舗の造り

割烹料理店は、カウンター形式で料理を提供してくれるお店の造りになっています。店内は、調理場と食事スペースが同じフロアに設けられており、カウンターやテーブル席で料理をいただくことができます。

いっぽう、料亭は個室のお座敷で料理を提供してくれるお店の造りになっています。調理場と客席は別の場所となっていて、美術品や日本庭園がある料亭も多く、冠婚葬祭や接待などで使われることが多いようです。

料理の内容

割烹料理店では、一品料理やその日のおすすめの料理などを提供し、お客さんの要望に応じて作ってくれることも多くなっています。ただし、あくまでも高級料理を提供してくれるお店なので、居酒屋で注文するようなメニューとは違うものとなります。

料亭では、会席料理などのコース料理が中心です。割烹料理店とは違い、おもにお酒を楽しむ場ですので、飯と汁は食事のあとに提供されるスタイルとなります。

接客の方法

割烹料理店では、板前が直接注文を受ける形となります。カウンター越しに板前との会話を楽しみながら、調理する様子を見ることが出来るのも割烹料理店の特徴です。

料亭では、接客は仲居と呼ばれるスタッフが担当したうえで、芸者などを呼んで楽しむようなこともあります。割烹料理店では芸者を呼んで接待するようなことはなく、純粋に食事を楽しむ場所となっています。

割烹料理店で最低限気を付けたいマナーとは?

ここまで、割烹料理店は比較的カジュアルな雰囲気であると説明しましたが、一緒に食事をする相手や周りのお客さんに不快な思いをさせてしまっては、せっかくの楽しい食事が台無しになってしまいますので、一定の配慮をすることは大切です。和食を食べるときに最低限注意したいマナーについて、いくつか説明します。

おしぼりの使い方

おしぼりの基本的な使い方は「拭くのは手だけ」となります。顔や首を拭くことはマナー違反になりますので、普段やっていてクセになっている人は注意しましょう。

お椀や器をていねいに扱う

高級な料理に使うお椀や器には高価なものを使っていることがあり、提供するお店側としても、とても注意を払うような品物も多くあります。とくに塗り椀(ぬりわん)の塗料は衝撃に弱く、少し落としただけでも塗料が落ちてしまうことがありますので、注意して扱うようにしましょう。お椀を食べ終わったら、運ばれてきたときのようにお椀のフタを戻すのが正しく、ひっくり返してはいけません。

お箸を正しく使う

日本人なら、お箸を正しく使いたいものですが、ついついやってしまいがちなマナー違反が「きらい箸」です。
代表的なものをいくつか挙げてみますので、自分もやっていないか思い返してみましょう。

  • 返し箸(お箸の上下をひっくり返して持ち手側で料理をつかむこと)
  • 刺し箸(お箸の先端で料理を突き刺して食べること)
  • 寄せ箸(器をお箸で手元に引き寄せること)
  • 迷い箸(どの料理を食べようかと器の上でお箸を動かしまわること)

音を立てて食べない

日本人は、そば・うどん・ラーメンなどの麺類について音を立てて食べるのが普通ですが、割烹料理店のような高級な和食の場合は、なるべく音を立てないような心配りが大切です。ものをクチャクチャと噛む音も、会食相手を不快に感じさせてしまうので注意が必要です。また、口に料理が入ったまま話すなど、相手に口の中の食べ物が見えてしまうようなことも、もちろんマナー違反となります。

まとめ

割烹料理店は、伝統的な日本料理をカジュアルに楽しめるお店です。服装や形式などにあまりとらわれ過ぎずに、職場の仲間・家族・友人との食事やデートなど、様々な目的に利用することができます。気を張らずにリラックスしつつも、一般的な食事マナーや会食相手、周囲のお客さんへの配慮は忘れずに、日本伝統の和食文化を楽しみましょう。

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